本当に残念ですが１２月１日にとても尊敬していて、大好きな黒沢美香さんがこの世から旅立たれてしまいました。

私が初めて美香さんのダンスを観たのは神楽坂die pratzeでの公演でした。
ただ歩いて登場し、大きな柱に姿が隠れたかと思うとまたすぐ柱から出てまた柱の陰に隠れて、と、冒頭は歩いているだけでしたが、その圧倒的な存在感にびっくりしました。歩いている姿を観ているだけなのに、なぜかどんどん涙が出てくるのを自分でも驚きながら、ただただどこも見逃すまい！！と凝視したのを覚えています。圧倒的な存在感というのはこんなにも心に響くのか、と驚きました。

美香さんはいつも哲学的な立ち居振舞いで、全てを見透しているかの様な様子でいらっしゃいました。私は、怖がりで自分の低レベルがバレてしまうのが恐ろしく、いつもどぎまぎしてしまい、まともにお話が出来ないままでした。とてもチャーミングな方でもあり、美味しいものを食べると「わぁー、美味しい」と言って本当に美味しそうに食べていらっしゃいました。

湯治で年に一回増富温泉に行かれていて、私も何度か一緒に行かせていただき、一緒にお風呂に入ったり、お食事したりと楽しい時間を過ごさせてもいただきました。ある年の湯治の時に食べ物が沢山余ってしまい、「これどうしましょう、捨てましょうか??」って誰かが言った時に「えー。捨てるなんて考えた事もない」と美香さんがおっしゃたのをとても良く覚えています。

湯治といえども楽しいイベントを沢山考え、計画を立て、どんな時間もムダにはすごさない、どんな食べ物もムダにしない。全ての事を慈しむように大切に生きてこられたエネルギーのかたまりの様な方がいなくなられて本当に残念です。

写真は２缶しかない高級カニ缶をめぐって、勝ち抜きじゃんけんをし、大勢の中で美香さんと私が勝利し、貴重なカニ缶を手にした時の写真です。
美香さん本当に貴重な時間をありがとうございます！！