感謝

12月1日、黒沢美香さんがお亡くなりになりました。眠っているように穏やかなで優しいお顔でした。感謝の気持ちでいっぱいです。今は言葉がなく、2012年12月のブログを再掲します。

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黒沢美香さん (高見)2012年12月

今年、自分にとって最も印象深かった公演は、『南国からの書簡』だ。
正式なタイトルは、
怠惰にかけては勤勉な黒沢美香のソロダンス『薔薇の人』
黒沢美香・上原尚美 編
~南国からの書簡~

2月17日に観にいった。南国に住むおじさんからの手紙を待つダンスで、小柄なお二人は淡々と軽やかな少女だった。見たこともない南国の鮮やかな景色が広がり、お二人の半生になぜだか思いを寄せて切なくもなり、自分の幼少期をさまよい、遠くにも深くにも旅する時間だった。お二人が自分の目の前で踊るこのときがまだ終わらないで欲しい、ずっと続いて欲しいと思い、その至福の余韻は、10カ月経った今も残っている。

美香さんは、ガンが再発してからも精力的に活動を続けている。健常者の自分などよりはるかにハードスケジュールで、手帳をのぞくと休みの日がほとんどない。6月、毎年恒例となっている美香さん企画の「増富温泉」湯治の旅――今年は総勢15名参加――でご一緒した後、10月の1泊旅行へのお誘いメールをいただいた。「尚美ちゃんにすすめられた」という秩父・三峯の温泉で、「この日を楽しみに、仕事を乗り切る」という旨のお便りだった。年末までスケジュールびっしりの中、稀少なお休みの日に「楽しみ」を企画するのも精力的な美香さんらしい。世界の黒沢美香からどうして私がお誘いいただけるのか、頭の中はハテナマークでいっぱいになるのだが、もちろん大歓びで「行きます」と返信。振付家の伊藤多恵さんと3人で秩父に向かった。
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最高時速6キロの電気自動車モンパルに乗り込み、ぶいぶいいわせてご機嫌な3人。

ホテルの近くを散策。夕日を背中に受けて伸びた長~い影が、
はるかかなたの紅葉しかかった木に映ってビックリ。
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向かって左が、カメラのシャッターを押している私の影。
向かって右がポーズをとっている伊藤さんの影。

翌日は登山!
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山頂からの絶景と
「下界に降りたくないよ~」とくつろぐ美香さんと伊藤さん。
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明日、
怠惰にかけては勤勉な黒沢美香のソロダンス
『薔薇の人 -鳥図 -』blue sky
観にいきます。
12月4日(火)~7日(金) 。中野・テルプシコールにて。