ふるさとは遠きにありて思うもの 室生犀生


(実家で採れた たからもの)

近年、郷土愛がとまらない私。です。
かといって実家に帰ると故郷の記憶と現実の狭間にとまどいます。
そんな時にはいつも
「ふるさとは遠きにありて思うもの」という詩が頭をよぎります。
取り戻せない時間。戻らない人。センチメンタルですなぁ~。

先日、駅の改札で待ち合わせして、すごーく久しぶりに、広島の友人に会いました。
人があふれる改札口で友人を待ちながら…久しぶりだからわからないかも……などと思っていましたが、階段を下りて来た瞬間、すぐにわかりました。
相手もすぐにわかり「わー久しぶりー、全然変わっとらんねぇ」とお互い声をかけ合いました。

いやいや!!変わっておるのです。

あちらは、結婚し、親になり、会社の肩書きもつき…。みんな、妻になったり、母になったり、名字が変わったり。
一方、肩書きは何も変わらぬ私。。。またもや狭間にとまどいました。

ネイティブな広島弁を聞くと血が騒ぎます。
私のしんどい話を聞いて友人が言った「ほいじゃが、そりゃあ、えらかろう。よーけーかかろー」という言葉にジーンとした、久々の再会でした。方言の直訳は「仕方ないけど、それは、大変だろう。お金も沢山必要だろう」かな?? (なんだか、深刻な話のようですが、交通費についての会話中の一言です)

最近懐かしくて笑った方言は伯母が言った方言「おおくじくるでぇ」。直訳すると「ものすごい説教をするぞ」かな?? 94歳の伯母の方言は面白いです。昔昔に使っていた化石のような方言を普通に使うので、もはやロマンを感じます。

11月公演『ペルセポリス。そして、』では難民を演じます。今回はどんな役柄になるのか、まだはっきりとはわかりませぬが!!
故郷とはなんとも……年を重ねるにつれ、どんどん……私の心の中で大きな存在となっていきます。そんなことを思いながら稽古開始前の日々を過ごしています。